サンフランシスコ平和条約
Last-modified: 2017-02-28 (火) 14:07:07
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サンフランシスコ平和条約(さんふらんしすこへいわじょうやく) †
1951年 サンフランシスコ講和会議で,日本がアメリカなど48か国と結んだ平和条約。 平和条約(講和条約ともいう)は,正式に戦争を終了させる条約のこと。
吉田茂首相が主席全権委員をつとめて9月8日に調印,翌52年4月に発効した。この条約によって日本は独立を回復したが,台湾,千島,
サンフランシスコ平和条約は,日本とアメリカを中心とする資本主義国などが結んだもので,次の国は条約に参加しなかった。日本はこれらの国とは個々に平和条約を結んでいる。
- ユーゴスラビア,ビルマ,インドは講和会議への出席を拒否した。
- ソ連,ポーランド,チェコスロバキアは,条約の内容がポツダム宣言に反するとして調印を拒否した。
- 中国,朝鮮の代表は講和会議に招かれなかった。
【日本の平和条約】
- 1951年……サンフランシスコ平和条約を結ぶ。調印相手国はアルゼンチン,オーストラリア,ベルギー,ボリビア,ブラジル,カンボジア,カナダ,セイロン(現在はスリランカ),チリ,コロンビア,コスタリカ,キューバ,ドミニカ共和国,エクアドル,エジプト,エルサルバドル,エチオピア,フランス,ギリシャ,グアテマラ,ハイチ,ホンジュラス,インドネシア,イラン,イラク,ラオス,レバノン,リベリア,ルクセンブルク,メキシコ,オランダ,ニュージーランド,ニカラグア,ノルウェー,パキスタン,パナマ,パラグアイ,ペルー,フィリピン,サウジアラビア,シリア,トルコ,南アフリカ連邦(現在は南アフリカ共和国),イギリス,アメリカ合衆国,ウルグアイ,ベネズエラ,ベトナム国(後のベトナム共和国,現在はベトナム民主共和国と統合してベトナム社会主義共和国)の48か国。
- 「サンフランシスコ平和条約調印国」というときは,日本もふくめて49か国になる。
- 1952年……中華民国(台湾),インドと平和条約を結ぶ。
- 日本政府は台湾の国民政府(中華民国)を中国を代表する政府として,平和条約を結んだ。
- 1954年……ビルマ(現在はミャンマー)と平和条約を結ぶ。
- 1956年……日ソ共同宣言によって,ソ連との戦争状態を終了する。
- 北方領土問題があったためソ連との平和条約は結ばれなかった。なお,これでソ連の反対がなくなり,日本の国際連合加盟が実現した。
- 1957年……ポーランド,チェコスロバキアと国交を回復する。(チェコスロバキアは1993年にチェコとスロバキアに分離している。)
- 1958年……サンフランシスコ平和条約を
批准 していなかったインドネシアと平和条約を結ぶ。
- 批准……条約の最終確認のこと。調印された条約は,批准によって発効(効力を持つこと)する。
- 1972年……中華人民共和国との国交を回復する。台湾との平和条約は失効する。
- 日本政府は中華人民共和国を中国を代表する政府と認めた。このため,台湾との国交は破棄された。
- 1978年……中国と日中平和友好条約を結ぶ。
- 1991年……ソ連解体。日本とソ連の間では平和条約はついに結ばれなかった。なお,ソ連の国際的な地位を受けついだロシア連邦とも平和条約は結ばれていない。