歴史Dランク
1941年 アメリカの国務長官ハルが日本側に提示した文書。 正式な外交文書ではなく,覚書(おぼえがき)という形をとっているので,ハル・ノートとよばれている。
日本とアメリカの対立が深まる一方で,戦争をさけるための交渉(こうしょう)が両国間で行われていた(日米交渉)。ハル・ノートはその条件として,日本軍の中国やインドシナからの全面撤退(てったい),蒋介石政権以外の中国政権の否認,日独伊三国同盟からの離脱(りだつ)などを求めるものであった。日本政府はこれをアメリカの最終通告と受け止めて交渉を断念し,アメリカと開戦することを最終的に決定した(ハル・ノートが示される前から真珠湾攻撃の準備は進められていたが,日米交渉がまとまった場合は攻撃を中止する予定であった)。