歴史Aランク
倭寇(わこう) †
鎌倉末期から室町時代にかけて,中国や朝鮮半島の沿岸部を荒らした日本人の海賊のこと。
活動時期によって前期倭寇と後期倭寇に分けられている。
- 前期倭寇……南北朝の動乱が続くなかで,北九州や瀬戸内海沿岸の武士・漁民が中心となり,朝鮮半島や中国沿岸で海賊行為を行った。足利義満が倭寇を取り締まり,勘合貿易(日明貿易)をはじめると,倭寇の活動はおとろえた。
- 後期倭寇……戦国時代になると再び倭寇による密貿易や海賊行為がさかんになった。この後期倭寇には,鉄砲伝来にも関わったとされる王直などの中国人も多く参加していた。明が海禁政策(民間貿易を禁止することで,密貿易が行われる原因になった)を改め,豊臣秀吉が海賊禁止令を出す(1588年)ことによって,倭寇の活動はおとろえていった。