先端技術産業
Last-modified: 2019-03-19 (火) 16:53:06
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先端技術産業(せんたんぎじゅつさんぎょう) †
その時代の最も進んだ技術を利用した産業のことで,ハイテク産業ともいう。 資源のとぼしい日本は,技術力をたよりにしている(「技術立国」という)だけに,今後も新しい技術の開発が求められている。
【先端技術産業の例】
- ICT……情報通信技術(Information and Communications Technology)の略称。情報の収集,処理,発信などに関するさまざまな技術のことで,特にインターネットを利用したものが注目を集めている。IT(情報技術)ということもある。
- バイオテクノロジー(生命工学)……生物のもつ機能を解明し,有効に利用しようとするもの。特に遺伝子を操作するものは「遺伝子工学」ともいう。
- クローン技術……遺伝的に全く同じ生物を作り出すこと。農業では昔から行われてきたが,近年はヒツジやウシなどのクローンもつくられるようになっている。人間のクローン作成については,各国で禁止する動きが強まっている。
- iPS細胞(人工多機能性幹細胞)……細胞にいくつかの遺伝子を組みこんで,いろいろな組織や器官に成長できる細胞にしたもの。患者自身の細胞からiPS細胞をつくり,これを成長させて治療に利用することが期待されている。
- 遺伝子組み換え作物……ほかの生物の遺伝子を導入して,性質を改変した作物のこと。農薬や害虫に強い作物がつくられて栽培されるようになっているが,安全性に関する不安を指摘する声もある。
- ゲノム編集……遺伝子(DNA)自体を編集することで,病気の治療や生物の形質を改変させることが期待されている。特にクリスパーキャス9を利用したゲノム編集は,簡単に速く安くできることから,大きな注目を集めるようになっている。
- 新素材……これまでの素材(木,石,鉄など)にかわる,新しい素材のこと。ファインセラミックス,カーボンファイバー(炭素繊維),形状記憶合金などがある。
- ナノテクノロジー……分子レベルの大きさを持った物質を組み合わせて,機械やコンピュータなどを製造する技術のこと。ナノは長さの単位で,1ナノメートルは1メートルの10億分の1にあたる。21世紀の中心的技術として研究が進められている。