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福島第一原子力発電所

Last-modified: 2018-09-06 (木) 10:08:46
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地理Dランク

福島第一原子力発電所(ふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょ)

福島県の太平洋岸に建設されていた原子力発電所で,2011年に大規模な原子力事故が発生している。

東京電力によって福島県双葉郡に建設され,1971年3月から営業運転を開始した。

【福島第一原子力発電所事故】

2011年3月11日,東北地方太平洋沖地震の震動と津波によって電源を失い,原子()冷却(れいきゃく)システムが停止した。このため,原子炉内で核燃料がとけ落ちるメルトダウンがおこり,発生した水素が爆発することによって,大量の放射性物質が放出された。

原子力発電所から20km以内が警戒区域に指定され,10万人以上の住民が避難している。


【福島第一原子力発電所事故の過程】(推定をふくむ)

  • 3月11日
  • 当日は,6機ある発電機のうち,1号機・2号機・3号機が運転中で,4号機・5号機・6号機は点検のために停止中であった。
  • 地震発生と同時に,1号機・2号機・3号機が自動停止する。ただし,核燃料の過熱をふせぐためには,原子炉に冷却水の注入を続ける必要があった。
  • 原子炉の冷却には外部電源が利用されていたが,地震による断線などにより外部電源が失われる。電源を発電所内に設置していた非常用ディーゼル発電機に切り替えて,冷却水の注入が続行された。
  • 地震発生から約1時間後に津波がおしよせる。地下に設置されていた非常用ディーゼル発電機が浸水して使用不能となり,1号機・2号機・3号機の全交流電源が失われ,一部のバッテリー(直流電源)しか使えない状態になる。2号機・3号機では非常用の注水機が作動するが,1号機では冷却水の注入が停止してしまう。
  • 発電所から半径3km以内の住民に避難指示,半径3〜10km以内の住民に屋内待避の指示が出る。
  • 冷却水の減少が続く1号機で核燃料が露出し,メルトダウンがおこる。高温の核燃料と水が反応して,水素が大量に発生する。
  • 3月12日
  • 1号機の格納容器から蒸気を排出するベント作業を開始するため,避難指示区域が半径10km以内に拡大される。
  • 1号機でベント作業が実施されるが,直後に水素爆発がおこる。水素がたまっていた建物の上部が破壊され,放射性物質が大気中や海洋中に拡散される。
  • 2号機の配電盤に電源車をつなぐ工事が進められていたが,1号機の水素爆発によってケーブルが損傷し,電源の復旧がおくれる。
  • 避難指示区域がさらに半径20km以内に拡大される。
  • 3月13日
  • 3号機で冷却水の注入が中断する。ベント作業と消防ポンプによる注水,海水注入が行われるがうまく進まず,メルトダウンがおこる。
  • 3月14日
  • 3号機で水素爆発。
  • 2号機で冷却水の注入が中断する。ベント作業が失敗し,メルトダウンがおこる。1号機の爆発の影響で建物上部のパネルが外れていたことから,2号機では水素爆発はおこらなかったが,最も多くの放射性物質が放出されたと考えられている。
  • 3月15日
  • 4号機で水素爆発。原子炉内に核燃料がなかった4号機で爆発がおきたのは,3号機のベント作業によって放出された水素をふくむ蒸気が配管を通じて流入したことが原因と考えられている。
  • 建物内の使用済み燃料プールには大量の核燃料が保存されている。水素爆発で建物が破壊された1号機・3号機・4号機では,プールの冷却や水の補給が大きな問題になる。(燃料プールでメルトダウンがおこると,大量の放射線が放出され,首都圏までが避難地域になる可能性があった。)
  • 3月22日
  • 外部電源の復旧が進み,1号機〜6号機のすべてに電気を流せる状態になる。
  • 4月12日
  • 事故のレベルが,国際原子力・放射線事象評価尺度(INES)の評価で最悪とされる「レベル7(深刻な事故)」に暫定評価される。
  • 12月16日
  • 政府が原子炉の冷温停止(温度を下げて核分裂を停止させること)を宣言する。

1号機〜4号機は2012年,5号機と6号機は2014年に廃止されている、ただし,燃料の取り出しや施設の解体にはかなりの時間がかかると考えられている。