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衆議院の優越

Last-modified: 2017-06-07 (水) 16:05:53
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公民Aランク

衆議院の優越(しゅうぎいんのゆうえつ)

国会で衆議院と参議院の議決が一致しないときは,衆議院の議決が優先されること。

日本の国会二院制をとっているので,衆議院参議院が対立して議決が一致しなくなると,何も決められなくなる危険がある。そのため,特に重要な議決については,衆議院の議決が優先されることになっているが,これを衆議院の優越という。

衆議院の議決が優先されるのは,衆議院のほうが任期が短く解散もあるため,国民の新しい意思をより忠実に反映すると考えられているためである。

  • 衆議院の任期は4年,参議院の任期は6年である。
  • 衆議院は任期中の解散があるが,参議院は解散がない。

【衆議院の優越】

政治を進めるうえで速く決める必要のあるものほど,衆議院のほうが強くなっている。

  • 内閣総理大臣の指名……次の場合,衆議院の議決が国会の議決となる(衆議院の指名した人物が内閣総理大臣になる)。
  • 衆議院と参議院の議決が異なり,両院協議会でも意見が一致しないとき。
  • 衆議院の指名後,10日以内に参議院が議決しないとき。
  • 予算の先議……予算は衆議院が先に審議する。
  • 予算の議決……次の場合,衆議院の議決が国会の議決となる(衆議院の可決によって予算は成立する)。
  • 衆議院と参議院の議決が異なり,両院協議会でも意見が一致しないとき。
  • 衆議院の可決した予算を受け取ったのち,30日以内に参議院が議決しないとき。
  • 条約の承認……次の場合,衆議院の議決が国会の議決となる(衆議院の可決によって条約は承認され,衆議院の否決によって条約は承認されない)。
  • 衆議院と参議院の議決が異なり,両院協議会でも意見が一致しないとき。
  • 衆議院の議決後,30日以内に参議院が議決しないとき。
  • 法律案の議決……衆議院が可決した法律案について,参議院がこれと異なった議決をした場合,衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば,その法律案は成立する。
  • 「異なった議決」には否決だけでなく,衆議院の同意しない修正もふくまれる。
  • 衆議院の可決した法律案を受け取ったのち,60日以内に参議院が議決しないときは否決と見なす(衆議院の再可決による成立が可能になる)。
  • 内閣不信任の決議……衆議院だけに議決権がある。なお,衆議院は内閣信任決議もできる。

憲法改正の発議決算の審査などについては,衆議院の優越は認められていない(衆議院と参議院は対等である)。

【注意】

  • 両院協議会……衆参両院の10名ずつの議員で構成される協議会。国会は話し合いの場なので,まず両院協議会で意見の調整をはかるのが原則であり,それでも一致しなかったときに,衆議院の優越が適用される。
  • 内閣総理大臣の指名・予算の議決・条約の承認……衆議院と参議院の議決が異なるときは,必ず両院協議会を開かなければならない。
  • 法律案の議決……衆議院と参議院の議決が異なるとき,衆議院または参議院の請求で両院協議会を開くことができる(衆議院は参議院の請求を拒否することができる)。
  • 法律案の議決……参議院が否決するような法律案について衆議院で3分の2以上の多数の賛成を得ることは難しい場合が多く,参議院議員を選んだ国民の意思に反することにもなるので,両院協議会を開いて話し合う場合が多い。
  • 公職選挙法改正の場合(1993〜1994年)……衆議院の小選挙区比例代表並立制を定める改正案を衆議院が可決,参議院が否決した。両院協議会で参議院の意見を取り入れた合意案が可決され,さらに両院で可決されて合意案が成立した。
  • 新テロ対策特別措置法の場合(2008年)……2007年の参議院議員選挙の結果,与党(自民党・公明党)が衆議院で3分の2以上の議席を占めながら,参議院では過半数に達しないという状況になってしまった(「ねじれ国会」とよばれる)。この中で,衆議院が可決した新テロ対策特別措置法を参議院が否決したため,衆議院が3分の2以上の多数で再可決して成立させた。衆議院の再可決による法律の成立は57年ぶりであった。