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首長

Last-modified: 2017-11-06 (月) 14:07:11
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公民Aランク

首長(しゅちょう)

地方公共団体の執行機関の長のことで,都道府県知事と市町村長(東京特別区は区長)がある。 住民の直接選挙で選ばれ(任期は4年・被選挙権は都道府県知事が30歳以上,市町村長が25歳以上),地方公務員を監督して政治の仕事にあたっている。

住民の選挙で選ばれる首長は,再議権などの強い権限を持っている。

  • 再議権……議会の議決に異議があるとき,首長は議会に審議のやり直し(再議)を求めることができる。この場合,議会で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すると議決は確定するが,3分の2に達しないと議決は取り消しになる。拒否権ともいう。
  • 議会の解散権……議会が首長の不信任を議決した場合,首長は通知を受けてから10日以内に議会を解散することができる。首長が議会を10日以内に解散しない場合,または解散後の新しい議会が不信任を再議決した場合は,首長は辞職しなければならない。
  • 首長の不信任の議決には,議員の3分の2以上の出席とその4分の3以上の賛成(再議決の場合は過半数の賛成)が必要である。
  • 専決処分……議会が成立しなかったり,緊急事態で議会を招集できないときは,首長は議会が議決すべき事項を独自に決定することができる。ただし,次に開かれる議会で承認を得なければならない。

ちなみに,内閣総理大臣には再議権はない(国会の議決した法律や予算には,必ず従わなければならない)。この点では,地方公共団体の首長は,むしろアメリカの大統領(国民の選挙で選ばれ,再議権がある)に近い存在になっている。

【参考】

  • 集団・団体を統率する長を首長というが,日本でたんに首長というときは,地方公共団体の首長を指すことが多い。
  • 地方公共団体の首長選挙では,もっとも得票数の多い候補者が当選人になる。ただし,有効投票総数の4分の1以上の得票を獲得した候補者がいない場合は,再選挙を行う。
  • 国家の首長(国王や大統領など)のことを,特に「元首」という。日本の場合,大日本帝国憲法では天皇が元首とされていたが,日本国憲法では元首は規定されていない。