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景気変動 のバックアップ(No.2)



公民Bランク

景気変動(けいきへんどう)

経済活動において,好景気と不景気がくり返されること。 景気循環ともいう。

ふつう,「好景気好況)→景気の後退→不景気不況)→景気の回復」の順でくり返される。

資本主義経済では景気変動はさけられないが,できるだけ変動の幅を小さくして経済を安定させるために,政府財政政策中央銀行金融政策を行っている。


【第二次世界大戦後の日本の景気変動】

一般に好景気を「〜景気」,不景気を「〜不況」とよぶことが多い。

  • 特需景気(1950年〜1953年)……朝鮮戦争で日本が国連軍の基地になったことから,軍事物資の生産などによって好景気になった。敗戦で大きな打撃を受けていた日本経済が急速に復興するきっかけになった。
  • 神武(じんむ)景気(1955年〜1957年)……「神武天皇(神話上の初代天皇)以来最大の好景気」ということでついた名前。高度経済成長がはじまり,三種の神器(テレビ・洗濯機・冷蔵庫)が普及した。
  • なべ底不況(1957年〜1958年)……神武景気の反動で急速に不景気となり,中小企業の倒産が相次いだ。
  • 岩戸(いわと)景気(1958年〜1961年)……天照大神(あまてらすおおみかみ)(あま)の岩戸に隠れて以来の好景気」ということでついた名前。高度経済成長が本格化した。
  • オリンピック景気(1963年〜1964年)……東京オリンピック開催による好景気。
  • いざなぎ景気(1965年〜1970年)……「日本列島ができて以来の好景気」ということでついた名前。3C(カラーテレビ・自動車・クーラー)が普及した。
  • 第一次石油危機(1973年〜1974年)……第四次中東戦争がきっかけとなっておこり,物価が急上昇(狂乱物価)した。1978年には第二次石油危機もおきたが,日本は省エネルギー政策などで危機を乗り越え,安定成長の時代に入った。
  • 安定成長期(1973年〜1991年)……高度経済成長は終わったが,経済は全体に安定しながら成長を続けた。自動車や電気製品の輸出の増大によって,アメリカ合衆国との貿易摩擦が深刻化した。1985年のプラザ合意によって急速に円高が進み,景気回復のために低金利政策をとったことが,バブル景気の原因となった。
  • プラザ合意……ニューヨークのプラザホテルでアメリカ合衆国,日本,西ドイツ(当時)などが結んだ&為替相場に関する合意のこと。日本は円高を受け入れることになり,ほぼ1年で1ドル=235円から1ドル=120円台まで急速に円高が進んだ。
  • バブル景気(1986年〜1991年)……地価や株価の急上昇が続き,景気が過熱した。
  • バブル……本来の意味は「あわ」で,地価や株価が本来の価値以上にふくれあがっていることをあらわしている。
  • 平成不況 (1992年〜2001年)……バブルの崩壊(ほうかい)とともに深刻な不景気となり,失業や就職難などが問題となった。この不景気はほぼ10年も続き,「失われた10年」とも呼ばれている。
  • いざなみ景気(2002年〜2007年)……景気が回復する一方で,低所得層が増加(格差社会)し,「実感なき景気回復」とも呼ばれた。
  • 世界同時不況(2008年〜)……アメリカのサブプライムローン問題に端を発する世界金融危機により,日本経済も大きな打撃を受けている。特に急速な円高によって自動車や家電メーカーの経営が悪化し,派遣社員の契約解除(派遣切り)や新入社員の内定取り消しなど,雇用が大きな問題になっている。