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違憲審査権 のバックアップ差分(No.2)



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**違憲審査権(いけんしんさけん) [#l2d6a40a]

&color(mediumblue){裁判所の持つ権限で,国会の制定する法律,行政機関の命令・規則・処分などが憲法に違反しているかどうかを,裁判を通じて判断すること。};

日本は[[三審制]]をとっているので,違憲であるかないかの最終的な判断は[[最高裁判所]]が行うことが多く,最高裁判所は[[憲法の番人]]とよばれている。
日本は[[三審制]]をとっているので,違憲であるかないかの最終的な判断は[[最高裁判所]]が行うことが多く,最高裁判所は「[[憲法の番人]]」と呼ばれている。

-違憲審査権の対象となるのは,国会の定める法律だけでなく,行政機関による命令,規則,処分などもふくまれている。
【注意】

-違憲審査の対象によって,次のように呼ぶことがある。

--法律に対する違憲審査を強調するときは,[[違憲立法審査権]]という。

--法令(法律と命令)を審査する権限という意味で,[[法令審査権]]ということがある。

-裁判で争われる具体的な事件について,違憲であるかないかを判断する。法律ができるごとに,裁判所が違憲であるかないかを判断しているわけではない。

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【最高裁判所における違憲判決】 

最高裁判所が法律の規定を違憲とした判決は,これまでに次の9例がある。
最高裁判所が法律の規定を違憲とした判決は,これまでに次の10件がある。
 
-&ruby(そんぞく){尊属};殺人重罰規定 (1973年) 

--対象規定……尊属殺人に対する罰則を死刑または無期&ruby(ちょうえき){懲役};とする刑法の規定。 

--違憲理由……刑罰が重すぎることが,[[法の下の平等]](憲法第14条)に反する。 

--結果……法務省の通達で,一般の殺人罪と同様にあつかわれることになった。刑法から尊属殺人重罰規定が削除されたのは1995年である。 

-薬事法距離制限規定(1975年) 

--対象規定……すでにある薬局から一定の範囲内に新しい薬局を開設することを制限する薬事法の規定。 

--違憲理由……職業選択の自由(憲法第22条)に反する。 

--結果……同年,薬事法は改正されて,距離制限は&ruby(てっぱい){撤廃};された。 

-衆議院議員定数配分規定(1976年) 

--対象規定……1票の格差が1対5になっていた公職選挙法による定数配分。 

--違憲理由……法の下の平等(憲法第14条)や選挙人の資格規定(憲法第44条)に反する。 

--結果……1975年に衆議院の定数が20増加になり,問題となった格差は解消されていた。 

-衆議院議員定数配分規定(1985年) 

--対象規定……1票の格差が1対4.40になっていた公職選挙法による定数配分。 

--違憲理由……法の下の平等(憲法第14条)に反する。 

--結果……1986年に定数の是正が行われた。 

-森林法共有林分割制限規定(1987年) 

--対象規定……共有林の分割を制限する森林法の規定。 

--違憲理由……財産権(憲法第29条)を侵害する。 

--結果……同年,森林法が改正され,この規定は削除された。 

-郵便法&ruby(めんせき){免責};規定 (2002年) 

--対象規定……郵便業務従事者の過失による賠償責任の範囲を一部制限する郵便法の規定。 

--違憲理由……賠償請求権(憲法第17条)を侵害する。 

--結果……同年,郵便法は改正された。 

-海外在住日本人の選挙権制限(2005年) 

--対象規定……海外在住日本人が衆議院小選挙区と参議院選挙区選挙に投票できないという公職選挙法の規定。 

--違憲理由……法の下の平等(憲法第14条)や選挙人の資格規定(憲法第44条)に反する。 

--結果……2006年に公職選挙法が改正され,2007年から投票が可能になった。 

-&ruby(こんがいし){婚外子};の国籍取得制限(2008年) 

--対象規定……結婚していない日本人の父と外国人の母の間に生まれた子は,出生後に父から子として認知されても日本国籍を取得できないという国籍法の規定。 

--違憲理由……法の下の平等(憲法第14条)に反する。 

--結果……国籍法の国籍取得要件から「両親の結婚」がはずされた(2009年1月施行)。

-&ruby(ひちゃくしゅつし){非嫡出子};の法定相続分規定(2013年)

--対象規定……嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定。

--違憲理由……法の下の平等(憲法第14条)に反する。 

--結果……民法が改正され,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になった。(2013年12月施行)
--結果……民法が改正され,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になった(2013年12月施行)。

-女性の再婚禁止期間(2015年)

--対象規定……女性は前婚の解消または取消しの日後6か月間は再婚できないという民法の規定。

--違憲理由……法の下の平等(憲法第14条),両性の本質的平等(第24条)に反する。 

--結果……民法が改正され,再婚禁止期間が100日になった(2016年6月施行)。施行から3年をめどとして,再婚禁止制度自体を見直すことも定められている。

2013年に,高等裁判所が,成年被後見人に選挙権・被選挙権を認めない公職選挙法は違憲であるという判決を下している。このとき,政府は最高裁判所に上告は行わず,公職選挙法を改正している。