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ヨーロッパの火薬庫 の変更点

Top / ヨーロッパの火薬庫


[[歴史Bランク]]

**ヨーロッパの火薬庫(よーろっぱのかやくこ) [#lf9bce49]

&color(mediumblue){第一次世界大戦前のバルカン半島のことで,列強の利害と民族や宗教の対立から,紛争がくり返されていた。}; 「火薬庫」は火薬を貯蔵する建物のことであるが,ここでは「いつ紛争がおこるか分からない危険な地域」の意味で使われている(紛争の発生を火薬の爆発にたとえたもの)。

バルカン半島を支配していた[[オスマン帝国]]が弱体化し,諸民族の独立運動がさかんになった。ロシアがバルカン半島に住むスラブ民族を支援して勢力拡大をはかると,オーストリアもドイツの協力を得てこれに対抗し,バルカン半島での緊張が高まっていった。

-黒海を勢力圏としたロシアは,黒海と地中海を結ぶイスタンブール(オスマン帝国の首都)の確保を目指し,オスマン帝国との戦いをくり返していた。
-黒海を勢力圏としたロシアは,黒海と地中海を結ぶ海峡に面したイスタンブール(オスマン帝国の首都)の確保を目指し,オスマン帝国との戦いをくり返していた。

-ドイツにおける勢力争いでプロイセンに敗れたオーストリアは,1867年にハンガリーと同君連合を形成し,バルカン半島への勢力拡大をねらうようになった。なお,1871年にプロイセンを中心にドイツ帝国が成立している。
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【バルカン問題】

-1877年……ロシアがオスマン帝国を破り,サン・ステファノ条約を結んでセルビアの独立などを認めさせる。バルカン半島でロシアの勢力が強まることにイギリスやオーストリアが反発する。

-1878年……ドイツの仲介でバルカン問題を話し合うベルリン会議が開かれ,サン・ステファノ条約を修正したベルリン条約が結ばれる。セルビアは正式に独立するが,多数のセルビア人が住むボスニア・ヘルツェゴビナの行政権はオーストリアが獲得する。

-1908年……オーストリアがボスニア・ヘルツェゴビナを併合し,セルビアとの対立が強まる。

-1912年……ロシアの支援するバルカン同盟(ブルガリア,セルビア,ギリシャ,モンテネグロ)とオスマン帝国が戦う(第一次バルカン戦争)。翌年,バルカン同盟が勝利し,オスマン帝国はバルカン半島の領土の大半を失う。 

-1913年……第一次戦争で獲得した領土の配分をめぐってセルビアとブルガリアが戦う(第二次バルカン戦争)。セルビアがルーマニア,ギリシャ,モンテネグロ,オスマン帝国の援助を得て勝利する。 

-1914年……オーストリア皇太子夫妻が,ボスニアの州都サラエボでセルビア人の青年に暗殺される([[サラエボ事件]])。オーストリアがセルビアに宣戦し,[[第一次世界大戦]]がはじまった。